TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月15日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「SmartNews」コミュニケーションディレクターの松浦シゲキさんが、書類手続きのデジタル化に伴う“印鑑レス化”について論じました。
書類手続きのデジタル化が進むなか、押印・捺印して提出する手間はペーパーレス化における大きな障壁となっています。そんななか、2019年度中の国会審議を目指していた会社登記の“印鑑レス化”が、6月26日(水)まで開かれている通常国会に提出されない見通しとなりました。
◆印章業界の反発 「売上補償を」
2018年、政府は「デジタル・ガバメント実行計画」を発表。計画では、政府・地方・民間すべての手続きの電子化を目指し、それによって国民・行政機関の双方の時間や手間、コストを削減できると見込んでいます。
しかし、印章業界はこれに反発。印鑑不要となる施策を「看過することはできない」と、政府に「『デジタル・ガバメント実行計画』に関する要望書」を提出しました。
要望書では、印章は欧米のサイン制度と違い「代理決裁できる」ことから、迅速な意思決定や決裁、さらには戦後の日本経済の急速な発展に「寄与してきたという自負」があると記されています。松浦さんは、「実際に、部下に(代理で印鑑を)押してもらうことで手続きが早くはなるが……」と理解を示しつつも、「民事訴訟法」第228条を紹介。
同条は“文書の成立”について定めたもの。第4項には、私文書について「本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と定められています。しかし、MCの堀潤は「代理で押印し、本人が『知らなかった』と言うこともできるのでは」とその真正性を疑問視。松浦さんも「後で誰が押したものなのかがわからず、揉めるケースもよくある」と同感の様子。
要望書には、具体的な要望として以下の4項目も記されています。
1.デジタル・ガバメント計画における印鑑不要の施策について、印章業界関係者を集めた説明会の開催
2.デジタル・ガバメント計画の「法人設立における印鑑届出の義務の廃止」の再考
3.「民民手続きにおけるオンライン化の推進」の白紙撤回
4.上記が実施されなかった際に、印章業界が被る被害に対する国の売上補償
松浦さんは4つ目の「印章業界が被る被害に対する国の売上補償」に言及。「確かに、縮小する業界に対して国が補償することはある。また、『その業界の人々をどうするんだ』という問題もある。しかし、そこも含めて社会をより良く変えていかなければならない」と意見を述べました。
◆「見ないで押す」から早い
松浦さんは、“印鑑レス化”による意識の変化について、2つのポイントにわけて解説します。
1つ目は「確実な記録(デジタル)を残す意識」。
松浦さんは、「サインと押印であれば、押印のほうが早いとは思う」としつつも、その早さは「さまざまな文書を、しっかりと見ないままにどんどん押していくためだ」と指摘。実際に、森友学園案件では、財務省が決裁文書を精査しないまま決裁していたことが明らかに。また、宅配便などが自宅に届いた場合、本人以外の押印でも簡単に受け取れてしまうという現状も。
そのため、「プロセスを含めて、デジタルできっちり記録を残すことが重要」と強調する松浦さん。そして、デジタルサインを普及するためには「みんなの意識が変わっていかないといけない」とも。
2つ目は「手間(時間)を削る意識」。
松浦さんが勤めている会社の契約書なども、最近ではデジタルサインに変わってきていると言います。また、最近では、アドビシステムズが提供する「Adobe Sign」も普及。デジタル文書やデジタルサインによって、100%デジタルのワークフローを実現できることなどから、プロセスの高速化を見込めるとの見方もあります。
松浦さんは、「手続きにおける不必要な時間を短縮することも大事」と述べ、「これも、ある意味『働き方改革』の意識につながる」とポイントを説明しました。
ただし、「印鑑が全滅するべきという話ではない。見た目の素晴らしさや愛着などから、文化としての印鑑は残ってもいいのでは」と補足していました。
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/
(出典 news.nicovideo.jp)
“印鑑レス化”にハンコ業界猛反発… 代理決裁が“利点”に疑問も - ニコニコニュース TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月15日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「SmartNews」 ... (出典:ニコニコニュース) |
印鑑(いんかん)と呼んでいるが、厳密には印章あるいはハンコと同じ意味で「印鑑」という語を用いるのは正確ではない。古くは、印影と印章の所有者(押印した者)を一致させるために、印章を登録させた。この印影の登録簿を指して印鑑と呼んだ。転じて、印鑑登録に用いた印章(実印)を特に印鑑 62キロバイト (9,220 語) - 2019年3月1日 (金) 01:40 |
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