■宇宙の膨張速度が誕生直後より速くなっており、従来考えられていたよりも9パーセント速いことが判明
■宇宙マイクロ波背景放射と、実際の天体観測で導き出されるハッブル定数が一致しないことが以前から指摘されてきた
■重力波イベントの検出が、ハッブル定数の正確な算出の裏付けの1つになる
宇宙規模の「9パーセント」は大事件。
ノーベル賞受賞者であるジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リエス氏らが行った調査で、宇宙の膨張速度が誕生直後より速くなっている可能性が示された。
しかも従来考えられていたより9パーセントも速いとのことで、これは宇宙に関する従来の常識を覆すほどの差だ。論文は「Astrophysical Journal」に掲載されている。
https://arxiv.org/abs/1903.07603
「成長を待って測定」したら9パーセントも速く膨らんでいた
宇宙の年齢と膨張率を計測する尺度であるハッブル定数を巡っては、以前から論争が繰り広げられてきた。
数々の研究で、宇宙マイクロ波背景放射(初期宇宙の微かな残光)に基づいて算出されたハッブル定数は、銀河系の若い天体の実際の観測で導き出されるハッブル定数と一致しないことが指摘されている。
この不一致の原因をデータの不完全性に求める声もあるが、リエス氏らはハッブル宇宙望遠鏡が得た新たな観測結果を元に、この不一致が実際に存在するだけでなく、従来考えられてきたよりも大きいことを証明した。
研究チームは、74.03±1.42km/s/Mpcというハッブル定数を導き出した。これは、宇宙マイクロ波背景放射をもっとも正確に計測すると言われるESAのプランク宇宙望遠鏡が導き出した67.4±0.5km/s/Mpcという数値と食い違う。
この差が単なる偶然で生じる確率は、統計学的には10万分の1。つまり、何らかの必然的理由で不一致が生じている可能性大ということだ。
リエス氏は従来の調査を、2歳児の身長を測り、その数値から成長後の身長を予測することになぞらえている。これに対してリエス氏らが今回行った調査は、子どもが実際に成長するまで待ってから、身長を測定することに例えることができる。
正しい目盛りの「宇宙の距離梯子」を求めて
星々の動きから宇宙の膨張率を測るには、2つのデータが必要だ。つまり、地球から特定の天体までの距離と、それが地球から遠ざかる速度である。
距離の算出には、ケフェウス型変光星(一定の周期で明るさが規則的に変化する脈動変光星)の観測がよく用いられる。
ケフェウス型変光星の変光周期と明るさには相関があり、明るさが強いほどゆっくりした周期で光る。変光周期から光の強さを算出し、それを実際に目で見える明るさと比較することで、地球からの距離を推測するのだ。
宇宙に存在する天体の、地球からの距離の測定方法を総じて「宇宙の距離梯子」と呼ぶ。天文学者たちは、この巨大な梯子を組み立てる試みの中で、より正確な目盛りを常に追い求めてきた。
リエス氏らの研究では、銀河系の伴銀河の1つである大マゼラン雲にあるケフェウス型変光星70個が観測された。これにより新しく得られたデータから、地球とこれらの天体との正確な距離が計測され、より正確なハッブル定数が導き出された。
重力波イベントの検出がさらなる裏付けに
2017年、中性子星同士の合体によって生じた重力波・時空のさざ波・光が探知された。その観測データからハッブル定数の独立した推計が行われ、70.0+12.0−8.0 km/s/Mpcという。リエス氏らの調査も、こうした外的証拠による裏付けがあれば、さらに心強いだろう。
でも、こうした事象を宇宙の膨張率を測るための「標準サイレン」として利用するには、重力波検出器によって検出可能な中性子星連星合体重力波イベントそのものの数が物を言う。これまで検出された重力波イベントは一度だけだったが、つい先日4月25日に、別の重力波イベントが検出されたかもしれないことが明らかになった。
リエス氏らは、正確なハッブル定数を導き出す努力を続けている。ほんの小さな食い違いが、宇宙のしくみを解明するための大きな手がかりになる可能性だってあるのだ。
宇宙が私たちが考えるよりも速いスピードで拡大しているのが本当だとしたら…。暗黒エネルギーの力は従来考えられてきたよりもさらに大きいのか?暗黒物質は私たちが想像しているよりもっと複雑なのか?宇宙には他にも未知の素粒子が存在するのか?宇宙の謎とロマンは、その膨張速度に負けず劣らず、もくもくと膨らむばかりだ。
(出典 news.nicovideo.jp)
宇宙の常識が覆る!宇宙の膨張速度が予想より9パーセントも速いことが判明 - ニコニコニュース Credit: pixabay Point □宇宙の膨張速度が誕生直後より速くなっており、従来考えられていたよりも9パーセント速いことが判明 □宇宙マイクロ波背景放射と、実際の天体 ... (出典:ニコニコニュース) |
はハッブル定数 (Hubble constant) と呼ばれ、現在の宇宙の膨張速度を決める。ハッブル定数は時間の逆数の次元 T−1 をもち、通常はキロメートル毎秒毎メガパーセク(記号: km/s/Mpc)が単位として用いられる。この発見は、宇宙は膨張しているものであるとする説を強力に支持するものとなった。 29キロバイト (2,810 語) - 2019年2月27日 (水) 22:25 |
<このニュースへのネットの反応>
宇宙ヤバイ
とりあえず宇宙はやばいのはわかった
俺の宇宙論を聞けおじさんが来るぞ
誰かもうちょっとわかりやすく。
中性子星連星合体重力波イベント、スパロボとかでありそう
いつも思うんだが…宇宙が膨張するってなんだ?膨張するってことは膨張するための空間が外側にあるってことだろ?もう何が何だか…宇宙怖い。
宇宙が膨張してるって言われるといつも気になるのは、膨張してる宇宙の外側ってどうなってるの?
まだ発見されてない要素があってそれが関係してるとかそんなん?
ネオエクスデス「まーた俺のせいか」
あくまで仮説だけど、このままだと熱的*時間が多少早まるのかな?
ニュートン力学がどうしても計算に合わなくなって来た時に相対性理論が出たけど、新たな理論が出てくるかもね。
膨張してる先の空間ってどうなってるん?その膨張・加速させるエネルギーってどこからきてるん?ほんま不思議や・・・・
>十三 従来と異なる方法でハッブル定数を算出したら、全く異なる数値が出た。なので、まずどちらが正しいのかを追加測定により検証する必要がある。その結果、もし新測定値が正しいとなれば、宇宙形成理論の修正と再構築が必要になる。
なるほど、わからん。
>カヅキ 現在の主説だと、外側って概念自体が無い。地球上(地上や海上)をいくら進んでも、1周するだけで地球の外側には行けないのと同じ。なお、「ロケットで上に行けば地球の外側」に相当する概念は、宇宙の外側というより、より高次元の空間が存在するかの問題になるから、また別の話になる。
ブラックホールの中と同じだ、宇宙の外は観測不可能
宇宙の外ってのを考える意味は一切ないので。
そうなんだよっ!僕たちがいる宇宙は、とあるブラックホールが作っちゃったスペースなんだよ!
この世がシミュレーションの中の世界(シミュレーション仮説)をイメージすると膨張する宇宙の外側が存在しないことについてイメージしやすいと思ってる。ゲームで用意していない座標がどういったものかとかそんな感じ。本当にシミュレーションの中なら膨張先とは別に外の世界があるけど、それはまた別の話ということで。
写真きれい
結局のところ、宇宙の膨張の加速を解明するためにはダークエネルギーを解析するしかないんじゃないかな。
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